Seattle International Film Festival 主催で、ベネチア映画祭で金獅子賞を受賞したアン・リー監督の最新作「Lust, Caution/ 色、戒」の上映会が開かれたので、Ma と二人で見に行ってきました。私達が開場に着いた時には既に入場待ちの人の長蛇の列ができていました。チケットは前売りで既に売り切れており、会場内は超満員。私達はかろうじて後列中央辺りの席を確保することができました。
2時間半にも及ぶ映画なのですが、原作はたった28ページの短編小説だそうです。長時間の映画だけれども、話の展開が速かったので、それほど長くは感じませんでした。主人公が着ているドレスはとても素敵で見ていてうっとり。映像もとてもきれいで、重々しいストーリーを少し和らげているような気がしました。
この映画で話題になっているのはセックスシーンなのでしょうか・・・? 割と過激なシーンもありましたが、嫌らしさは感じられず、芸術的でストーリー上重要なものだったと思います。中国ではセックスシーンがカットされて上映されるそうです。でもそうしたら、この映画が全く別のものになってしまう様な気がするのですが・・・。
上映後、スタンディング・オベーションで迎えられたアン・リー監督へのインタビューおよび質疑応答が行われました。会場にいた方々は割りと映画通が多かった様で、質問もそれなりな物が多かったのですが、何を血迷ったのか Ma が張り切って手を挙げ、何と指名されてしまいました。質問内容は「カップやグラスに付いた口紅のマークには何か意味があったのですか」というもの。アン・リー監督の答えは「ただセクシーだったから。」この返答に会場からどっと笑いが起きました。質問した本人にとっては、余り納得の行く答えでは無かったようですが・・・。
ヒロインを演じたタン・ウェイは、1万人の中から選ばれただけあって、とても良かったです。上映後のインタビューで、アン・リー監督はこのヒロイン役には無名の女優から選びたかったけれど、もしそうででなかったら、この役にはチャン・ツィイーが候補だっただろうみたいなことを言っていました。チャン・ツィイーはこの大役が全く無名の女優に流れてしまって残念?
トニー・レオンに関してはとにかく大絶賛。アン・リー監督は、トニー・レオンは今まで悪役を余り演じたことが無かったけれど、上手い役者はどんな役でも演じることができるし、実際にトニー・レオンの演技は完璧だったみたいなことを言っていました。トニー・レオン様のさわやかスマイルが大好きな私にとっては、この映画ではトニー・スマイルが封印されてしまっていたので残念。